3大陸10ヶ国集団における随時高血圧・自由行動下高血圧の有病率・治療率・管理率

Prevalence, Treatment, and Control Rates of Conventional and Ambulatory Hypertension Across 10 Populations in 3 Continents

Hypertension. 70:50-58, 2017. >>PubMed


【目的】
高血圧は世界的に健康障害の要因となっているが、その有病率は国によってさまざまである。また、有病率を示す多くの研究が、健診時や診察室で測定される随時血圧に基づいている。本研究では、24時間自由行動下血圧データを用い、複数ヶ国の高血圧有病率、治療率、および血圧管理率を明らかにすることを目的とした。

【方法】
本研究では、国際メタ解析International Database on Ambulatory Blood Pressure in Relation to Cardiovascular Outcomes(IDACO)研究に含まれる7コホート研究(12カ国)が対象とする40~79歳の6,546名を解析に用いた。随時高血圧を随時収縮期/拡張期血圧≧140/90 mmHgまたは降圧薬服用、24時間高血圧を24時間自由行動下収縮期/拡張期血圧≧130/80 mmHgまたは降圧薬服用とし、降圧薬服用者においては血圧がそれぞれの基準値未満の場合は血圧管理良好とした。

【結果】
随時高血圧有病率(コホート間の最低~最高)は49.3%(40.0%~86.8%)、24時間高血圧は48.7%(35.2%~66.5%)であった。随時血圧に基づく治療率および血圧管理率はそれぞれ48.0%(33.5%~74.1%)および38.6%(10.1%~55.3%)、24時間自由行動下血圧に基づく治療率と血圧管理率はそれぞれ48.6%(30.5%~71.9%)および45.6%(18.6%~64.2%)であった。降圧薬非服用者のうち、35.7%(23.5%~56.2%)が白衣高血圧であり、16.9%(8.8%–30.5%)が仮面高血圧であった。糖尿病、肥満、高脂血症、または脳心血管疾患既往者を除外しても、随時高血圧および24時間高血圧有病率の減少は9%未満にとどまった。一方、平均・健康寿命や社会経済を指数化した人間開発指数(Human Development Index:HDI)が0.1高くなる毎に、随時高血圧有病率が15.7%低値、24時間高血圧有病率が11.0%低値であった(P≦0.03)。

【結論】
各国の高血圧の状況が明らかとなった。また、高血圧有病率には脳心血管疾患リスク要因よりも、社会要因が強く影響していることが示唆された。