高齢者における性格傾向と将来の高次生活機能低下との関連
Personality traits as predictors of decline in higher-level functional capacity over a 7-year follow-up in older adults: the Ohasama study.
Tohoku J Exp Med. 234:197-207, 2014. >>PubMed
【目的】 高齢者の機能低下にはこれまで様々な因子が関連していることが言われているが、性格傾向もその一つと考えられる。高齢者が地域で自立して生活を行うのに必要な初期機能を高次生活機能という。本研究は、地域在住高齢者における性格傾向と将来の高次生活機能低下との関連を検討した。 【方法】 1998年調査時、60歳以上で身体運動機能、高次生活機能が良好であった岩手県大迫町(現花巻市大迫)在住地域在宅高齢者676名(平均年齢67歳; 女性63.4%)を対象とした。性格傾向は、妥当性・信頼性の検討されたEysenck Personality Questionnaire-Revised日本語版(EPQ-R)を用いた。高次生活機能の測定には、Lawtonの活動能力体系に依拠し日本人の様式に合わせて開発された老研式活動能力指標(TMIG: Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology Index of Competence)を用い、それぞれの性格傾向と2005年の高次生活機能低下との関連を種々の交絡因子で補正したロジスティックモデルより検討した。 【結果】 7年間の追跡後、21.7%が高次生活機能の低下を示した。交絡因子補正後、高い神経症傾向[オッズ比(95%信頼区間) 2.12 (1.23-3.66)]と、低い外向性傾向(内向的であること)[1.89 (1.01-3.56)]が将来の高次生活機能に強く関連することが明らかとなった。この結果は、ベースライン時、TMIGが満点であった対象に絞った場合、ならびにすべての性格傾向を同じモデルの投入した場合においてもほぼ同様であった。 【結論】 本研究から高い神経症傾向、ならびに低い外向性傾向が将来の高次生活機能低下に影響することが明らかとなった。このような性格傾向への理解が、高齢者の機能低下予防におけるハイリスクストラテジーを展開する上で、有用であると考えられた。

