高次生活機能の低下は地域在住高齢者における脳卒中発症の予測因子である
Impaired higher-level functional capacity as a predictor of stroke in community-dwelling older adults: the Ohasama study.
Stroke. 47:323-328, 2016. >>PubMed
【背景】 脳卒中発症後に生活機能が障害されることはよく知られている一方で、生活機能の障害が脳卒中の予測因子であることも指摘されている。しかし、基本的な日常生活動作能力より上位の水準にある高次生活機能が、脳卒中の予測因子であるかどうか検討した研究は限られている。 【方法】 基本的な日常生活動作が自立しており脳卒中既往のない、日本の60歳以上の地域住民1,493名(平均70.1歳)を追跡した。自記式質問紙を用い、ベースラインのデータを得た。高次生活機能は、老研式活動能力指標(TMIG-IC)の合計点および3つの下位尺度(手段的自立、知的能動性、社会的役割)を用いて測定した。Cox比例ハザードモデルを用いて、調整済みハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出した。 【結果】 平均10.4年の追跡期間中に、191名が初発の脳卒中を発症した。TMIG-ICの合計点を基に測定した高次生活機能の障害は、脳卒中発症と有意に関連していた (HR, 1.64; 95% CI, 1.15–2.33)。TMIG-ICの3つの下位尺度の中で、知的能動性のみが脳卒中発症と有意に関連していた (HR, 1.64; 95% CI, 1.21–2.22)。社会的役割は、75歳以上でのみ脳卒中発症と有意に関連していた (HR, 1.78; 95% CI, 1.07–2.98)。 【結論】 ベースライン時の基本的な日常生活動作が自立している地域在住の高齢者においてさえ、高次生活機能の障害、特に知的能動性の障害は、脳卒中の予測因子であった。高次生活機能を観察していくことは、将来の脳卒中発症リスクの高い者を同定するのに有用である可能性が示唆された。

