降圧治療を受けていない心血管疾患のない一般集団における尿中ナトリウム/カリウム比とBNPとの関連: 大迫研究

Association between urinary sodium-to-potassium ratio and BNP in a general population without antihypertensive treatment and cardiovascular diseases: the Ohasama study.

Hypertens Res. 2025 Sep;48(9):2292-2302.>>PubMed


【目的】
尿中ナトリウム/カリウム(Na/K)比は血圧および心血管リスクと関連している。本研究では、心負荷レベルを示すバイオマーカーである脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)と尿中Na/Kの関連性を一般集団において検討することを目的とした。

【方法】
横断研究である。降圧薬服用がなく脳心血管障害および心房細動既往のない岩手県花巻市大迫町の住民436名(平均年齢:65.4歳、女性73.2%)を対象とした。尿中Na/K比は、随時尿を用いて測定した。共分散分析、多重線形回帰モデル、およびポアソン回帰モデルによる解析を実施した。

【結果】
BNPの中央値は18.6 pg/mL(95%信頼区間:11.4-31.2 pg/mL)であった。尿中Na/K比の三分位群(第1:≦2.19、第2:2.19-3.27、第3:≧3.28)における共変量調整後の自然対数変換(ln)BNP平均値は、それぞれ2.74、2.88、3.06 (換算BNP値:15.50、17.81、21.37 pg/mL)であった(推定糸球体濾過量、早朝家庭収縮期血圧、心電図上左室肥大を含む共変量調整後の傾向性P値=0.0005)。心不全の可能性を示すBNP ≧35 pg/mLであることの調整後有病率比(95%信頼区間)は、第1三分位と比較し、第 2三分位で 1.27(0.76-2.14)、第3三分位で 2.24 (1.35-3.72)であった。ln BNPに対する標準化回帰係数が最も高かったのは尿中Na/K比(|0.24|)であり、推定24時間尿中ナトリウム(|0.16|)またはカリウム(|0.09|)排泄量を上回った。

【結論】
高血圧治療歴および脳心血管疾患既往のない一般地域住民において、尿中Na/K比は、尿中BNP値の高値と関連し、その関連は推定24時間尿中ナトリウムまたはカリウム排泄量より強かった。尿中Na/K比の測定が、臓器障害および心臓負荷の早期予防に有用である可能性がある。