診察室血圧と自由行動下血圧と死亡率および心血管アウトカムの関連性

Association of Office and Ambulatory Blood Pressure With Mortality and Cardiovascular Outcomes

JAMA. 2019;6;322:409-420. >>PubMed


【目的】
24時間にわたる自由行動下血圧測定値は強い脳心血管病予後予測因子であることが知られているが、そのうち昼間、夜間、24時間平均値のいずれが優れているかは不明確であった。本研究では、大迫研究コホートデータを含む世界13地域の一般地域住民11135名の国際共同研究データベース IDACOにおいて、24時間自由行動下血圧ならびに関連医療情報と脳心血管イベント (発症・死亡)との関連を解析した。

【方法】
 IDACOでは、関連コホート研究の individual participant data (IPD)を、Leuven大学臨床研究センターで集約・統合している。今回、メタ解析の手法でベースラインの各種血圧レベルと脳心血管イベントとの関係を、各種危険因子で調整した Cox比例ハザードモデルを適用して解析・比較した。
【結果】
平均 14年間の追跡期間中、2836例の脳心血管イベントを認めた。追跡開始時に測定された自由行動下血圧ならびに診察室血圧と追跡中の脳心血管イベントとの関連を比較した結果、24時間ならびに夜間の自由行動下血圧値が高値である対象者が脳心血管イベントを最も高率に起こしていることが明らかとなった。本結果を図示したヒートマップでは、24時間と夜間の自由行動下血圧値の組み合わせによって、10年間の脳心血管病発症リスクの高低が明瞭に示された。

【結論】
本結果から、自由行動下血圧測定は夜間を含めた24時間に渡って実施すべきであり、その測定値によって将来の脳心血管病の発症可能性を正確に把握し、早期からの血圧管理にしっかり取り組むことが重要であると考えられた。本研究は一般地域住民コホートのデータを基盤に実施されたが、自由行動下血圧測定は我が国でも条件を満たせば保険適用になるため、24時間自由行動下血圧情報の実地臨床での一層の活用が期待される。

図: 24時間自由行動下血圧値 (横軸)と

夜間血圧値 (縦軸)の、脳心血管病の10年リスク。

数値は対象 11135例の分布と各種危険因子で調整した