自由行動下血圧値と将来の家庭高血圧発症リスクとの関連
Association Between Ambulatory Blood Pressure and Risk of Home Hypertension in a Normotensive Population: The Ohasama Study.
Am J Hypertens. 2023 Feb 24;36(3):151-158. >>PubMed
【目的】
高血圧は脳心血管疾患のリスク因子であり、24時間自由行動下血圧(ABPM)と家庭血圧はいずれも脳心血管疾患リスクと関連する。ABPMが非高血圧であっても家庭高血圧は脳卒中発症リスクと関連しており、家庭高血圧発症を予測することは重要である。近年、大迫研究において、性別、年齢、BMI、喫煙、随時収縮期血圧、家庭収縮期血圧を使用した家庭高血圧発症10年予測モデルが開発されている。ABPMが家庭高血圧発症リスクの独立したリスク因子である場合、ABPMを考慮することで、家庭高血圧発症10年予測モデルを改善できる可能性がある。本研究の目的は、非高血圧者において、ABPMと家庭高血圧発症リスクとの関連を解明し、ABPMが家庭高血圧発症10年予測モデルを改善するのかを検討することである。
【方法】
高血圧のない岩手県花巻市大迫町住民410名(女性83.2%、平均年齢53.6歳)を対象に、24時間収縮期血圧と家庭高血圧発症(家庭血圧≧135/≧85mmHgまたは降圧治療開始)との関連をCoxモデルで検討した。過去に開発した家庭高血圧発症10年予測モデルに24時間収縮期血圧を加えた時の家庭高血圧発症予測能の改善度をHarrellのC統計量、NRI (Net reclassification improvement)、IDI(Integrated discrimination improvement)で評価した。
【結果】
平均14.2年の追跡期間で、家庭高血圧発症は225例であった。ベースライン時の家庭収縮期血圧を含む各種交絡因子で補正後、24時間収縮期血圧(1-SD [=6.76 mmHg]上昇毎)の家庭高血圧発症ハザード比 (95%信頼区間)は、1.59 (1.33-1.90)であった。また、過去に開発した家庭高血圧発症10年予測モデルに24時間収縮期血圧を加えたところ、HarrellのC統計量が0.72から0.73 (P=0.11)となり、わずかな増加にとどまったが、NRIは0.53 (P<0.0001)、IDIは0.028 (P=0.0014)と有意な改善が認められた。
【結論】
非高血圧者において、24時間収縮期血圧が家庭高血圧発症に関連した。家庭高血圧発症10年予測モデルに24時間収縮期血圧を加えることで、家庭高血圧発症10年予測モデルが改善した。家庭血圧と24時間血圧が相互に関連することが示唆された。

