自由行動下血圧の測定回数に関するエビデンス:IDACO国際共同研究
Evidence-based proposal for the number of ambulatory readings required for assessing blood pressure level in research settings: an analysis of the IDACO database
Blood Pressure. 2018;27:341-350. >>PubMed
【目的】 自由行動下血圧の測定方法に関するガイドラインでは、個々の患者に血圧測定を実施する際の方法が述べられている。他方、集団を扱う研究で自由行動下血圧を実施する場合、推奨される測定方法の遵守と、研究として必要な測定回数の選択との間にジレンマが生じることがある。 【方法】 IDACOデータベースに含まれる対象者のうち、覚醒中血圧30回以上、および就寝中血圧10回以上の測定ポイントを有する4,277名を解析対象者とした。ブートストラップ法により、覚醒中血圧1~30ポイント、就寝中血圧1~10ポイントを、全測定値から1000回ランダム抽出し、次の各解析を繰り返した: (i)自由行動下血圧の全測定値との一致度の検討、(ii)覚醒中血圧と随時血圧に基づく血圧分類の一致率の検討、(iii)脳心血管疾患発症の予測能の検討。覚醒中/就寝中血圧の測定回数が、それぞれ30–20回/10–7回の時に得られた各推定値と測定回数との間で回帰直線を引き、その回帰直線から逸脱しなかった最終ポイントを必要測定回数と定義した。 【結果】 覚醒中血圧を測定30回→1回/就寝中血圧を10回→1回へ制限したときの各結果を次から示す。全測定値との差(全測定値 - 測定回数制限後の測定値)の標準偏差は、覚醒中収縮期/拡張期血圧では1.7/1.2 mmHg→14.3/10.3 mm Hg、就寝中収縮期/拡張期血圧では1.9/1.4 mmHg→10.3/7.7 mm Hgへと測定回数の減少とともに増大した。覚醒中血圧の全測定値と測定回数制限後の血圧値に基づく高血圧分類の一致度κ係数は、0.94→0.63と測定回数の減少と共に低下した。収縮期/拡張期血圧10/5 mm Hg上昇毎の脳心血管疾患発症ハザード比は、覚醒中血圧では1.21/1.14→1.06/1.04へ、就寝中血圧では1.26/1.17→1.14/1.08へと測定回数の減少とともに低下した。回帰直線を用いた検討の結果、覚醒中/就寝中血圧の各測定回数は(i)の検討では8回/3回、(iii)の検討では8回/4回であり、(ii)の検討では覚醒中血圧5回が必要測定回数として選択された。 【結論】 本研究の結果から、昼間血圧は8回以上および夜間血圧は4回以上の測定が必要と考えられた。

