白衣高血圧と将来の家庭高血圧発症との関連
hite-Coat hypertension as a risk factor for development of home hypertension: the Ohasama study
Archives of Internal Medicine. 2005;165:1541-1546. >>PubMed
【背景】 随時血圧と家庭血圧の双方が高血圧を示す持続性高血圧とは対照的に、随時血圧において高血圧を示すが、家庭血圧は正常域にあるような状態を‘白衣高血圧’という。しかしながら、家庭血圧正常者において白衣高血圧と将来の家庭高血圧発症との関連を検討したものはなかった。 【方法】 岩手県大迫町の40歳以上の一般住民のうち、ベースライン調査時(1988-1993)に家庭血圧を3回以上測定し、かつ随時血圧を測定した家庭正常血圧者(降圧薬非服用かつHBP<135/85mmHg) 912名を対象とした。本検討では、家庭正常血圧者のうち、随時血圧<140/90mmHgかつ家庭血圧<135/85mmHgの者を真性正常血圧、それ以外を白衣高血圧とした。持続性高血圧発症の定義は、家庭血圧で収縮期135mmHg以上または拡張期85mmHg以上への進展、もしくは降圧薬の服用開始とした。 【結果】 ベースライン調査時に家庭血圧正常者であった912名中、777名(平均56歳、男性34%)が平均8年後に家庭血圧再測定を行った(追跡率85%)。 真性正常血圧群649名中144名(22%)、白衣高血圧群128名中60名(47%)が、それぞれこの間に持続性高血圧に移行した。 真性正常血圧群に対する、白衣高血圧群の持続性高血圧移行オッズ比は、 2.86 (95%信頼区間: 1.90-4.31)と有意に高値であり、白衣高血圧の存在は、性・年齢・body mass indexとともに、独立した持続性高血圧発症のリスク因子であった。 【結論】 本研究から、白衣高血圧が全く無害ではなく、将来の高血圧発症の予測因子であることが明らかとなった。これは、将来の高血圧の発症、及び高血圧合併症の発生を予防するために、白衣高血圧者について定期的な経過観察を行うことの必要性を示唆するものである。

