無症候性白質病変と将来の高次生活機能低下リスクの関連
Lacunar infarcts rather than white matter hyperintensity as a predictor of future higher-level functional decline: The Ohasama Study.
Journal of Stroke and Cerebrovasclar Disease. 26:376-384, 2017. >>PubMed
【目的】 寿命の延伸に伴い、機能低下を来しながらも地域に住み続ける高齢者が増加している。先行研究から、機能低下は将来の脳卒中の危険因子となることが報告されているが、ADL低下が顕在化する前における高次生活機能低下段階における脳障害との関連はこれまで明らかとなっていない。本研究では、ラクナ梗塞と白質病変から特徴付けられる無症候性脳血管障害と将来の高次生活機能低下リスクの関連を明らかにした。 【方法】 岩手県花巻市大迫町における60歳以上のうち、ベースライン時にADL低下がなく、MRI検査と高次生活機能に関する調査票に回答した地域在宅高齢者331名を対象とした。ベースライン時における無症候性脳血管障害と7年後の高次生活機能低下との関連を、ロジスティック回帰分析を用いて検討した。 【結果】 期間中22.1% が高次生活機能低下を示した。関連する交絡因子を補正後、無症候性脳血管障害 [odds ratio (95% CI), 2.10 (1.05–4.21)] 、ラクナ梗塞 [2.04 (1.05–3.95)] 、白質病変[2.02 (1.02–3.95)]のそれぞれにおいて、 7年後の高次生活機能低下と有意なリスク上昇が認められた。生活機能のサブグループ解析から、特にラクナ梗塞が、将来の認知機能低下につながる知的能動性低下のリスクとなることが明らかとなった[3.16 (1.27–7.84)]。 【結論】 無症候性脳血管障害は将来の高次生活機能低下リスクに関連する。

