果物の摂取量が多いと、家庭血圧測定で判定される将来の高血圧リスクが低くなる
High fruit intake is associated with lower risk of future hypertension determined by home blood pressure measurement: the Ohasama study.
Journal of Human Hypertension. 25,164-171,2011. >>PubMed
【目的】 地域住民における野菜・果物摂取と、家庭血圧における4年後の高血圧発症との関連を明らかにすること。 【方法】 岩手県大迫町(現花巻市大迫)在住の35歳以上の住民で1998年のベースライン調査時に家庭血圧を測定した1820名から、ベースライン時の高血圧者、追跡中の死亡・転出者を除外した1378名を追跡対象とした。その内、2002年に家庭血圧を測定した745名(男性274名,女性471名)を本解析対象とした。本研究における高血圧は、降圧薬使用者かつ・または家庭血圧が135/85mmHg以上とした。野菜・果物摂取は信頼性・妥当性の検討された食事摂取頻度調査票を用いて評価し、残差法にてエネルギー調整後、野菜・果物のそれぞれを四分位に分け、第1四分位(低摂取群)をリファレンスとしたときのそれぞれの摂取群における高血圧発症のオッズ比を多変量ロジスティック回帰分析より求めた。交絡因子として用いた項目は次の通りである:性別、年齢、喫煙・飲酒・運動習慣、Body Mass Index(kg/m2)、脂質・ナトリウム摂取量、糖尿病・高脂血症既往。 【結果】 家庭血圧測定による高血圧発症は222名に認められた(29.8%,そのうち,降圧薬使用は70名;平均追跡期間4.1年)。交絡因子調整後、果物摂取で低摂取群と比較し高摂取群において高血圧発症のリスクが60%低下していた(オッズ比0.40,95%信頼区間0.22-0.74)。また、その結果はBody Mass Index 25以上の対象者でより顕著であり、果物低摂取群と比較し、第4四分位(高摂取群)のオッズ比は0.21であった。野菜摂取では関連は認められなかった。 【結論】 本研究から、日本人では果物高摂取が、4年後の高血圧発症の独立した予防因子となることが明らかとなった。しかしながら、野菜摂取高摂取群との間には有意な関連は認められなかった。欧米諸国の研究では、野菜・果物の両方、もしくは野菜高摂取が高血圧発症の予防因子となることが報告されている。一方、アウトカムは異なるが、日本における関連報告では果物高摂取のみが循環器疾患発症の予防因子として働いており、本研究と同様の結果であった。本研究のサブ分析から、野菜高摂取群は同時に脂質,ナトリウム摂取も増加することが確認されており、野菜として食べる種類というより、加熱調理や味付けといった料理法による違いが今回の結果に影響を与えた可能性がある。

