日本人男性における(プロ)レニン受容体遺伝子多型と血圧の関連性

Association of (pro) renin receptor gene polymorphism with blood pressure in Japanese men: the Ohasama study.

American Journal of Hypertension. 2009;22:294-9. >>PubMed


【目的】
最近、レニン-アンジオテンシン系(RAS)の新しい構成因子として(プロ)レニン受容体((P)RR)が同定され、血圧や臓器障害との関連が注目されている。しかし、ヒトにおいて(P)RR遺伝子多型と疾患との関連に関する報告は未だない。今回我々は、(P)RR遺伝子多型と血圧値との関連について検討を行った。

【方法】
岩手県花巻市大迫町における一般住民より血圧測定及び遺伝子解析に対し同意が得られ、24時間自由行動下血圧(24h ABP)測定を行った住民1112人を対象とした。直接シーケンス法により(P)RR遺伝子のプロモーター領域(約2 kbp)、全エクソン上の遺伝子多型を同定した。次に、対立遺伝子の頻度が10%以上である3種のSNP: −782A>G (rs2968915)、intervening sequence (IVS)5+169C>T (rs5918007)、+1513A>G (rs6609080)について、遺伝子型を決定した。また、(P)RR遺伝子はX染色体上に存在するため、男性(n=357)と女性(n=755)で別々に(P)RR遺伝子の遺伝子型と血圧値との関連を検討した。

【結果】
(P)RR遺伝子上には合計11種のSNPが確認され、このうち2種はGenBankに未登録のものであった。男性において、イントロン5に存在するIVS+169C>Tが24h ABPと有意に関連し、T型遺伝子群で高値を示した(24h SBP P<0.001、24h DBP P<0.001)。また、昼間及び夜間ABPに関しても有意な関連が認められた(昼間SBP P=0.004、昼間DBP P=0.006、夜間SBP P<0.001、夜間DBP P<0.001)。これらの関連は、年齢、BMI、降圧薬服用率、糖尿病既往、心血管疾患既往、喫煙、飲酒で補正を行った後も有意であった。また、男性において、−782A>Gは24h ABPと弱い関連が認められた。一方、+1513A>Gについて男女で同様の解析を行ったが血圧値と有意な関連は認められなかった。

【結論】
日本人男性において、(P)RR遺伝子多型IVS+169C>Tと24h ABPとの関連が示された。この関連は、(P)RR遺伝子が血圧調節に関与している可能性を示唆している。