日本人女性における受動喫煙曝露と家庭血圧上昇との関連

Association of environmental tobacco smoke exposure with elevated home blood pressure in Japanese women: the Ohasama study.

Journal of Hypertension 2010 ;28:1814-1820. >>PubMed


【目的】
実験的研究において、短時間の受動喫煙暴露により血圧上昇が起こることが報告されている。しかしながら、一般集団において慢性的な受動喫煙暴露者の血圧が上昇しているという報告は少ない。

【方法】
大迫研究に参加し家庭血圧を測定した35歳以上の生涯非喫煙女性579人を対象とした。対象者を降圧薬服用歴の有無により層別し、降圧薬服用歴のない対象者(n=474)の受動喫煙歴については、暴露されている場所により、受動喫煙なし群(平均年齢64.0±10.7歳)、受動喫煙あり(家)群(平均年齢58.3±12.8歳)、受動喫煙あり(職場など)群(平均年齢47.7±9.4歳)、受動喫煙あり(家+職場など)群(平均年齢52.3±10.7歳)に分類した。別に、受動喫煙あり群を暴露されている頻度により受動喫煙あり(毎日)群、受動喫煙あり(時々)群にも分類し、頻度分類による追加的解析も行なった。結果は共分散分析を用いて、年齢、婚姻状態、BMI、糖尿病既往歴, 脳卒中既往歴、心疾患既往歴、脂質異常症既往歴、飲酒歴、食塩摂取量および歩行時間にて補正し解析を行なった。

【結果】
受動喫煙あり(家+職場など)群の朝家庭収縮期血圧値は受動喫煙なし群と比較して約4 mmHg 有意に高値であった (P=0.02)。受動喫煙あり(家)群における朝家庭収縮期血圧値及び受動喫煙あり(家+職場など)群における晩家庭収縮期血圧値も、受動喫煙なし群と比較して約3 mmHg有意に高値であった (それぞれ、P=0.04, P=0.03)。また、すべての受動喫煙あり群において、朝と晩の家庭収縮期血圧値は受動喫煙なし群よりも高い傾向が認められた。受動喫煙あり(毎日)群における朝と晩の家庭収縮期血圧値は、受動喫煙なし群と比較してそれぞれ約4 mmHg (P=0.02)、約3 mmHg (P=0.03) 有意に高値であった。また、すべての受動喫煙あり群において、朝と晩の家庭収縮期血圧値は受動喫煙なし群よりも高い傾向が認められた。

【結論】
降圧薬服用歴のない日本人女性において、受動喫煙暴露は家庭血圧高値と関連していた。一般集団における慢性的な受動喫煙による持続的な昇圧作用が、循環器疾患の罹患率や死亡率の上昇に寄与している可能性が示唆された。