推定24時間脈圧成分はアウトカムに影響するか
Do estimated 24-h pulse pressure components affect outcome? : the Ohasama study.
Journal of Hypertension. 2020;38:1286-1292. >>PubMed
【目的】 動脈の圧力-容積曲線に基づくモデルから、24時間脈圧(PP)をElastic成分(elPP)とStiffening成分(stPP)に分離し、大迫コホート研究の一般地域住民において予後予測能を検証した。 【方法】 心血管疾患(CVD)の既往のない大迫研究の1745人の参加者(61.4±11.6歳、65%の女性)を17年間追跡し、総死亡、心血管死亡、脳卒中発症のハザード比をCox回帰モデルによって推定した。交絡因子として年齢、性別、BMI、喫煙、飲酒、糖尿病、総コレステロール、降圧治療を調整した。 【結果】 追跡期間中に580人の死亡を観察し、うち212人が心血管死亡であった。290人が脳卒中を発症した。PPはelPP(r = 0.89)、およびstPP(r = 0.58)と相関したが、elPPおよびstPP同士の相関は弱かった(r = 0.15)。総死亡、心血管死亡、および脳卒中発症に関して、PPの1SD増分あたりの調整ハザード比は、それぞれ1.095(95%CI 0.973–1.232)、1.207(1.000–1.456)、および0.983(0.829–1.166)であったが、elPPおよびstPPでは有意ではなかった。 脈拍数が中央値以下のサブグループ(≦68.5 bpm、n= 872)においては、elPPは総死亡(327人)および心血管死亡(131人)を有意に予測した[調整ハザード比は、それぞれ1.231(95%CI、1.082–1.401)、および1.294(95%CI、1.069–1.566)]。更に、脈拍数の中央値以下かつ、降圧治療を受けたサブグループ(n = 309)においても、総死亡(177人)および心血管死亡(77人の死亡)に関してelPPは有意に予後を予測した[調整ハザード比は、それぞれ1.357(95%CI、1.131–1.628)、1.417(95%CI、1.092〜1.839)]。しかし、脳卒中発症に関してはelPPおよびstPPのいずれも有意な結果は認められなかった。 【結論】 日本の農村部の地域住民において、脈拍数が遅いサブグループでは交絡因子を調整後もelPPは総死亡および心血管死亡を予測した。
図 24時間脈圧のElastic成分(elPP)およびStiffening成分(stPP)で対象者を4均等分割したきの総死亡、
心血管死亡および脳卒中発症の調整ハザード比(対照:第1 Quartile)


