尿中ナトリウム・カリウム比と家庭血圧および自由行動下血圧との関連

Association between urinary sodium-to-potassium ratio and home blood pressure and ambulatory blood pressure: the Ohasama study.

J Hypertens. 2022 May 1;40(5):862-869. >>PubMed


【目的】
高血圧は、脳心血管疾患の最大のリスク要因である。ナトリウム(Na)またはカリウム(K)摂取量の比の指標である尿中ナトリウム/カリウム比(尿中Na/K比)が血圧と強く関連することが知られている。しかし、血圧指標として、安定条件下で連日測定される家庭血圧や1日における時間帯別の血圧レベルを反映する24時間血圧が存在し、それぞれが血圧の異なる側面を反映している。本研究では、一般地域住民において尿中Na/K比と家庭血圧および24時間血圧との関連を同一コホート内で明らかにし、尿中Na/Kが強く関連する血圧指標を解明することを目的とした。

【方法】
35歳以上の岩手県花巻市大迫町在住者を対象に、Na(mmol per L)/K(mmol per L)で計算された24時間蓄尿中Na/K比と早朝と晩の家庭血圧、24時間血圧、昼間血圧、および夜間血圧との関連を、年齢、性別、BMI、喫煙、飲酒、降圧薬内服、高脂血症、糖尿病、および脳血管疾患既往で調整した共分散分析(ANCOVA)および重回帰分析で解析した。

【結果】
対象者875人(平均年齢60.1±10.9歳、男性25.5%)を尿中Na/K比で4等分したQ1(<3.36)/ Q2(3.36-4.18)/ Q3(4.19-5.25)/ Q4(≧5.26)各群の調整後収縮期血圧平均値は、早朝家庭血圧で121.0/ 122.5/ 122.9/ 125.5 mmHg、晩家庭血圧で120.1/ 120.6/ 121.3/ 123.8 mmHg、24時間血圧で121.6/ 121.0/ 122.8/ 123.4 mmHg、昼間血圧で127.5/ 126.6/ 128.7/ 129.5 mmHgであり有意な群間差が認められたが(ANCOVA P<0.05)、夜間血圧では認められなかった(ANCOVA P≧0.25)。収縮期血圧で、早朝家庭血圧と24時間血圧または昼間血圧を同時にモデルに入れた重回帰分析では、いずれも早朝家庭血圧のみが尿中Na/K比と有意に関連した(P<0.005)。同様に、早朝家庭収縮期血圧を晩家庭収縮期血圧に置き換えた解析を行ったが、晩家庭血圧が24時間または昼間収縮期血圧よりも強く尿中Na/K比と関連していた。

【結論】
尿中Na/K比は、24時間血圧や昼間血圧よりも朝晩の家庭血圧と強く関連していた。一方、尿中Na/K比は夜間血圧とは関連しなかった。尿中Na/K比は、覚醒時血圧、特に家庭血圧のような安定した条件下で測定された血圧値と関連する可能性がある。家庭高血圧の患者においては尿中Na/K比を評価する必要があること、そして、家庭血圧に影響する要因は24時間血圧に影響する要因と異なることが示唆された。