家庭血圧測定でわかる血圧指標の脳卒中リスク
Stroke risk of blood pressure indices determined by home blood pressure measurement:The Ohasama Study.
Stroke. 2009;40:2859-61. >>PubMed
【目的】 家庭血圧測定による各血圧因子(収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧、および脈圧)の持つ脳卒中発症予測能を比較する。 【方法】 35歳以上の朝の家庭血圧を3日以上測定し、かつ随時血圧を測定した、脳卒中既往歴のない2369人(40%男性、平均59.2歳)の大迫住民を11.7年追跡し、血圧因子1SD上昇ごとの脳卒中発症予測能を、Cox比例ハザードモデルによって解析した。各血圧因子の脳卒中発症予測脳の比較には、likelihood ratio (LR) testを用いた。 【結果】 追跡期間中に238例の脳卒中(うち脳梗塞169例、出血性脳卒中69例)が観察された。いずれの血圧因子も有意に脳卒中発症と関連した。全脳卒中発症に対する相対ハザード(95%信頼区間)は収縮期血圧1.48(1.28-1.70)、拡張期血圧1.34(1.17-1.54)、平均血圧1.44(1.25-1.66)、脈圧1.29(1.13-1.46)であり、収縮期血圧、平均血圧で高く、脈圧は低めであった。LR testにより血圧因子の全脳卒中発症予測能を比較したところ、収縮期血圧・平均血圧(LRχ2≧9.3、p<0.01)は拡張期血圧・脈圧より有意に優れていた(LRχ2≦3.8、p≧0.05)。脳梗塞、出血性脳卒中についても、収縮期血圧・平均血圧の発症予測能は拡張期血圧・脈圧よりも有意に優れていた。拡張域血圧は脈圧よりも出血性発症予測能が有意に優れていたが、脳梗塞については、有意ではないものの、脈圧の予測能がわずかに拡張期血圧の予測能を上回った。また、収縮期血圧の全脳卒中・脳梗塞発症予測能は、有意ではないが、平均血圧を上回った。 【結論】 家庭血圧測定による脈圧の脳卒中予測能は高くなく、収縮期血圧の脳卒中予測能が最も優れていた。これにより、脳卒中予防には、収縮期血圧を中心とした降圧治療が必要であると考えられた。また、拡張期血圧の出血性脳卒中予測能は脈圧よりも有意に高い一方、脈圧の脳梗塞予測能は拡張期血圧よりも高かったことから、異なる血圧因子は異なる病型の脳卒中を予測することが示唆された。

