家庭血圧・24時間血圧測定に基づく部分白衣高血圧・部分仮面高血圧の長期脳卒中発症リスク

Long-Term stroke risk due to partial white-coat or masked hypertension based on home and ambulatory blood pressure measurements: the Ohasama Study.

Hypertension. 67: 48-55, 2016. >>PubMed


【目的】
白衣高血圧は、医療環境下で測定される随時血圧が高血圧、非医療環境下で測定される家庭または24時間血圧が正常域血圧の状態として知られているが、その予後への影響については見解が一貫していない。近年、脳心血管疾患死亡をアウトカムとした欧州の研究で、家庭または24時間血圧の一方のみが正常域血圧である部分白衣高血圧の予後が不良と報告された。本研究では、岩手県大迫町に在住の一般地域住民を対象に、真性および部分に分類した白衣および仮面高血圧と脳卒中発症との関連を検討した。

【方法】
脳卒中既往のない35歳以上の住民1464名 (男性31.8%、平均年齢60.6歳)の初発脳卒中発症状況を平均17.1年、最長22.5年観察した。高血圧の基準を家庭血圧 (収縮期/拡張期)≧135/85 mmHg、24時間血圧≧130/80 mmHg、および随時血圧≧140/90 mmHgと定義した。解析には、性別、年齢、body mass index、喫煙、飲酒、糖尿病、総コレステロール値、心疾患既往および降圧薬服用を調整項目としたCox比例ハザードを用いた。

【結果】
正常域血圧は776名、真性白衣高血圧 (随時血圧のみ高血圧)は137名、部分白衣高血圧は117名、真性仮面高血圧 (随時血圧のみ正常)は100名、部分仮面高血圧 (随時血圧が正常だが家庭または24時間血圧の一方が高血圧)は180名、および持続性高血圧 (いずれも高血圧)は154名であった。観察期間中に脳梗塞発症212例が認められた。正常域血圧者を基準とすると、調整後の脳卒中発症ハザード比は、真性白衣高血圧で1.38 (P=0.2)であったが、部分白衣高血圧で2.16、真性仮面高血圧で2.05、部分仮面高血圧で2.08、および持続性高血圧で2.46と有意に高値であった (P≦0.0006)。部分白衣高血圧および部分仮面高血圧を、家庭高血圧および24時間高血圧で細分化したが、いずれの群も正常域血圧を基準とした脳卒中発症ハザード比は有意に高値であった (P≦0.04)。

【結論】
家庭血圧と24時間血圧の両者を測定し、部分白衣高血圧または部分仮面高血圧を検出することが、脳卒中発症リスクを正確に評価するうえで重要と考えられる。