果物と野菜の摂取量と家庭高血圧の危険性

Fruit and vegetable consumption and the risk of hypertension determined by self measurement of blood pressure at home: the Ohasama study.

Hypertension Research. 2008;31:1435-1443. >>PubMed


【目的】
欧米諸国の研究から、野菜・果物の摂取が多い群で、血圧が低値であることが報告されている。しかし、それらの大部分は病院等における随時血圧計を用いた報告であり、またアジア地域の一般住民を対象として検討した報告はほとんど存在しない。本研究では、日本における地域住民の野菜・果物摂取と、家庭血圧測定によって診断された高血圧との関連について、横断的検討を行った。

【方法】
研究対象は、35歳以上の岩手県花巻市(旧 大迫町)住民のうち、家庭血圧測定事業および生活習慣調査に参加した1931名とした。除外基準(家庭血圧測定が3回未満、調査票回答が不完全、および調査票におけるエネルギー摂取量が極端な値を示している)より362名が除外され、1569名(男性642名、女性927名)が本研究の解析対象となった。野菜・果物摂取評価には信頼性・妥当性の検討されたFood Frequency Questionnaireを用いた。高血圧は、降圧薬使用者、かつ・または家庭血圧計における収縮期血圧/拡張期血圧が135/85mmHg以上の者、と定義した。

【結果】
家庭血圧測定による高血圧有病率は、男性39.4%、女性29.3%であった。野菜・果物それぞれを摂取量により3分位に分けた場合、低果物摂取群と比較し、高果物群における高血圧有病リスクは交絡因子調整後も45%低値であった(オッズ比0.55、P=0.002)。同様な関連はカリウム、ビタミンC摂取量に関しても認められ、高摂取群において高血圧発症リスクが低値であった(それぞれ低摂取群と比較した場合の高摂取群のオッズ比0.054、P=0.015;0.057、P=0.010)。一方、野菜摂取と高血圧有病との間に有意な関連は認められなかった。

【結論】
諸外国における、野菜・果物摂取と循環器疾患や高血圧との関連についての研究では、高野菜摂取が高血圧発症の予防因子となることが報告されている。一方、日本においては、高果物摂取が循環器疾患発症の予防因子として働くとの報告がある。本研究とはアウトカムは異なるが、疾患と食事摂取の関連には、食事習慣や食文化等地理的特性が強く影響していることが考えられた。メカニズムは明らかではないものの、野菜や果物を多く摂るといった、健康的な食品・栄養素の選択・摂取が、高血圧予防につながる可能性が示唆された。