家庭血圧の日間変動に関連する要因

Factors associated with day-by-day variability of self-measured blood pressure at home: the Ohasama study

American Journal of Hypertension 2010;23:980-6. >>PubMed


【目的】
血圧日間変動は日単位の血圧の“ばらつき”である。これまで我々は一般地域住民において家庭血圧により評価された血圧日間変動の増大は家庭血圧レベルとは独立して予後と関連すること報告した。しかしながら、これまで血圧日間変動の規定因子は明らかになっておらず、どのような対象で血圧日間変動が増大しているかは不明であった。

【方法】
岩手県大迫町(現花巻市)の一般地域住民で、家庭血圧を10日以上測定し、1998年に実施された「生活習慣と健康に関するアンケート調査」に回答した1,215人(男性は465人、女性は750人、平均年齢は62.6±11.6歳)を対象者とした。一般地域住民における血圧日間変動の規定因子を横断的に検討した。

【結果】
朝の収縮期血圧日間変動の増大と独立して有意な関連が認められたのは、女性(β=0.77,p<0.0001)、加齢(β=0.83,p<0.0001)、収縮期家庭血圧高値(β=0.56,p<0.0001)、家庭心拍低値(β=–0.20,p<0.0001)および心拍のSDの増大(β=0.48,p<0.0001)であった。晩の収縮期血圧日間変動の増大と独立して有意な関連が認められたのは、朝の収縮期血圧のSDと同様に女性(β=0.64,p=0.004)、加齢(β=0.74,p<0.0001)、収縮期家庭血圧高値(β=0.55,p<0.0001)、家庭心拍低値(β=–0.11,p=0.03)よび心拍のSDの増大(β=0.41,p<0.0001)であり、それらに加え、1日1時間未満の歩行習慣(β=–0.48,p=0.009)についても有意に関連していた。以上の所見は拡張期血圧変動においても同様であった。ただし、晩の拡張期血圧のSDの増大と飲酒習慣(β=0.53,p<0.0001)との間に独立した関連が認められた点が収縮期血圧変動と異なっていた。

【結論】
血圧日間変動増大の規定因子として、女性、加齢、家庭血圧高値、心拍数低値、心拍日間変動増大および飲酒習慣有が認められた。今回示された因子の中で介入可能なものは、家庭血圧および飲酒習慣である。今回示された血圧日間変動減少と関連する因子を考慮に入れた介入により、過大な血圧日間変動を抑制させることを通じて、脳心血管疾患発症リスクを軽減し得る可能性が示唆された。