家庭早朝高血圧の5年および10年発症予測モデル
Prediction Models for the 5- and 10-Year Incidence of Home Morning Hypertension: The Ohasama Study.
Am J Hypertens. 2022 Apr 2;35(4):328-336. >>PubMed
【目的】 高血圧発症予測モデルがこれまで報告されているが、いずれも診察室や健診時に測定される随時血圧に基づく結果である。本研究では、家庭血圧に基づく高血圧発症をエンドポイントとした家庭高血圧発症5年/10年予測モデルを構築した。 【方法】 岩手県花巻市大迫町の住民で家庭高血圧(家庭血圧≧135/≧85 mmHgまたは降圧薬内服)を有さない978名の追跡データを解析に用いた(女性: 69.9%、年齢: 53.3歳)。対象者を居住地区によって2群に分割し、Derivationコホートで予測モデルの構築、Validationコホートで予測モデルの妥当性を確認した。妥当性の確認として、HarrellのC統計量に基づく識別能、および予測値と実測値の比較(Calibrationプロット)による較正能の2点を検証した。
【結果】 Derivationコホートでは、Coxモデルを用いて、性別、年齢、肥満度、喫煙、診察室収縮期血圧(SBP)、ベースライン時の家庭血圧が、新規発症の家庭高血圧発症の有意なリスク因子として選択された。Derivationコホートで有意な危険因子を含むモデルを用いた場合、5年/10年家庭高血圧発症リスクを目的変数としたHarrellのC統計量は、Validationコホートでそれぞれ0.7637(0.7195-0.8100)/0.7308(0.6932-0.7677)であった。また、5年/10年家庭高血圧の観測発症率と予測発症率の回帰直線の傾きは1.10/1.02、切片は-0.04/0.06であり、良好な較正能も認められた(図に10年発症確率を使った結果を示す)。ベースライン時家庭血圧レベルを含まないモデルも作成したが、HarrellのC統計量は0.6689(0.6266-0.7067)と低い識別能が認められた。 【結論】 本研究の家庭高血圧発症予測モデルの利用により、具体的な値をもって家庭高血圧発症リスクを対象者へ提示でき、ひいてはより効果的な生活習慣是正と血圧管理につながると考えられる。


