定期的な歯科受診、歯周炎、歯の喪失、アテローム性動脈硬化症
Regular dental visits, periodontitis, tooth loss, and atherosclerosis: The Ohasama study.
J Periodontal Res. 2022 Jun;57(3):615-622. >>PubMed
【目的】 これまでに歯科定期受診、歯周炎および現在歯数とアテローム性動脈硬化との関連を検討した研究はほとんどない。本研究の目的は、歯科定期受診の有無、歯周炎および現在歯数とアテローム性動脈硬化との関連を、地域在住の一般住民を対象に横断的に検討することである。 【方法】 本研究の参加者は、岩手県花巻市大迫町に在住する55歳以上の地域一般住民である。曝露因子は、歯科定期受診、パノラマX線撮影より算出した歯槽骨吸収率およびthe Centers for Disease Control/American Academy of Periodontology(CDC/AAP)によって定義された歯周炎および現在歯数とした。アウトカムはアテローム性動脈硬化とし、内膜中膜複合体厚の最大値が1.1mm以上もしくはアテローム性プラークを検出した場合と定義した。共変量は、年齢、性別、Body Mass Index、疾患既往歴、服薬状況、収縮期および拡張期血圧、喫煙、飲酒、教育歴とした。 【結果】 602名の参加者のうち、アテローム性動脈硬化を有する者は117名であった。全ての共変量で調整した多変量解析の結果、歯科定期受診をしていないものは、歯科受診をしているものと比較して、アテローム性動脈硬化を有するオッズ比(95%信頼区間)は2.16(1.03-4.49)であった。歯槽骨吸収率について、その最大値の第1四分位群と比較して、第2、第3、第4四分位群のオッズ比(95%信頼区間)は、それぞれ1.15(0.65–2.30)、0.65(0.32–1.35)、1.57(0.81–3.01)であった。 CDC/AAP分類について、歯周炎を認めないまたは軽度歯周炎と比較して、中等度および重度歯周炎のオッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ2.48 (0.61–10.1)、4.26 (1.01–17.5)であった。現在歯数について、20歯以上群と比較して、10-19歯群および1-9歯群のオッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ1.77 (1.004–3.12)、0.96 (0.52–1.80)であった。 【結論】 日本の地域在住一般住民において、歯科定期受診をしていないこと、および歯周炎を有することは、アテローム性動脈硬化と関連していた。

