一般集団における家庭と自由行動下の心拍変動の関連要因
Associated factors of home versus ambulatory heart rate variability in the general population:the Ohasama study.
Clinical and Experimental Hypertension. 33,404-410,2011. >>PubMed
【目的】 自由行動下心拍短期変動と家庭心拍日間変動の規定要因、およびその差異を明らかにすること。 【方法】 岩手県花巻市大迫町の一般地域住民538人(平均年齢67歳)を対象とした。心拍短期変動は昼間の自由行動下心拍数測定値(平均28回測定)の個人内の標準偏差(SD)と定義し、心拍日間変動は早朝家庭心拍数測定値(平均25日間測定)の個人内のSDと定義した。回帰分析により、各心拍変動に関連する可能性のある要因(年齢、性別、Body Mass Index、降圧薬の服用、心疾患の既往、脳血管疾患の既往、糖尿病の既往、高脂血症の既往、喫煙習慣、飲酒習慣、歩行習慣、運動習慣、平均睡眠時間)について検討した。 【結果】 家庭心拍数および心拍日間変動の平均値±SD beats/minは、それぞれ64.1±7.2 および5.0±1.9 beats/minであった。また、昼間自由行動下心拍数および心拍短期変動の平均値±SD beats/minは、それぞれ72.9±8.0 および10.2±3.1 beats/minであった。心拍日間変動と心拍短期変動に有意な相関は認められなかった(r=0.08, p=0.06)。単変量解析において、心拍日間変動増大と有意な関連が認められた項目は、高齢、心疾患の既往有り、脳血管疾患の既往有り、家庭心拍数高値、家庭血圧日間変動増大であった。次に単変量解析において有意であった項目に加え、性別をモデルに入れた重回帰分析を行ったところ、心拍日間変動増大の独立した有意な規定要因は、男性、家庭心拍数高値、家庭血圧日間変動増大であった。一方、昼間心拍短期変動について、単変量解析で有意な関連が認められた項目は、喫煙習慣なし、昼間自由行動下血圧低値、昼間自由行動下心拍数高値、および昼間血圧短期変動増大であった。単変量解析において有意であった項目に加え、年齢、性別をモデルに入れた重回帰分析を行ったところ、昼間心拍短期変動増大は、若年、男性、喫煙習慣なし、昼間自由行動下血圧低値、昼間自由行動下心拍数高値、および昼間血圧短期変動増大と独立して有意に関連していた。 【結論】 家庭心拍日間変動と昼間自由行動下心拍短期変動に有意な相関はなく、また規定要因も異なっていた。したがって、両者は異なる機序で制御されていることが示唆された。

