一般集団における慢性腎臓病の有意な予測因子としての高血圧症予備軍

Prehypertension as a significant predictor of chronic kidney disease in a general population: the Ohasama Study.

Nephrology Dialysis Transplantation. 27, 3218-3223, 2012. >>PubMed


【目的】
高血圧は慢性腎臓病(CKD)発症リスクを増加させるといわれている。しかし、前高血圧がCKD発症と関連するかについては現在まで知られていない。本研究は前高血圧がCKD発症を予測し得るか検討したものである。

【方法】
岩手県花巻市大迫町の40歳以上の一般地域住民で、尿蛋白陽性または推算糸球体濾過量(eGFR)60ml/min/1.73m2未満で定義されたCKDを有さない2150名を対象とした。血圧とCKD発症との関連を年齢、性別、喫煙、飲酒、肥満(BMI≧25)、脳心血管病既往、糖尿病及び高脂血症の既往、ベースラインのeGFR、住民健診年度で補正したCox比例ハザードモデルで検討した。対象者はJNC7に基づいて分類された。

【結果】
対象者は正常血圧(586名、27.3%)、前高血圧(815名、37.9%)、ステージ1高血圧
(386名、18.0%)、ステージ2高血圧(363名、16.9%)に分類された。観察期間は6.5年、14,023観察人年であった。CKD発症は461名であった。正常血圧に比して、CKDの調整オッズ比は前高血圧(1.49, P<0.003), ステージ1高血圧(1.83, P<0.001), ステージ2高血圧(2.55, P<0.001)で有意であった。Population attributable fraction(PAF)について検討した場合、前高血圧(12.1%)はステージ1高血圧(8.6%)及びステージ2高血圧(14.9%)に匹敵していた。

【結論】
一般集団において、前高血圧はCKD発症の有意なリスクであり、そのPAFはステージ2高血圧と同程度であった。