一般集団における不均衡に拡大したくも膜下腔水頭症と認知障害との関連

The association of disproportionately enlarged subarachnoid space hydrocephalus with cognitive deficit in a general population: the Ohasama study.

Sci Rep. 2021 Aug 23;11(1):17061. >>PubMed


【目的】
Disproportionately enlarged subarachnoid space hydrocephalus (くも膜下腔の不均衡な拡大を伴う水頭症;DESH)は特発性正常圧水頭症の特徴である。本研究では、一般集団における有病率を調べ、DESHの存在や伸展と認知機能低下との関係を調べた。

【方法】
大迫研究にて磁気共鳴画像診断(MRI)を受けられた1,590名の参加者の内、本研究の対象となった1,384名のデータを利用した。Mini-Mental State Examination (ミニメンタルステート検査; MMSE)が25以下の方を軽度認知障害(MCI)と仮定し、DESHの有無はMRIから評価した。DESHの有無、Evans Index(EI)と認知機能低下の関連性について多変量解析を行った。更に、DESHの出現と認知機能低下及びDESHの進展と認知機能低下についても評価した。

【結果】
9名(0.65%)の方にDESHが見られ、その内7人に認知機能低下が見られた。関係する要因を調整してロジスティック回帰分析を行ったところ、DESHの存在は認知機能低下と関係していた(odds ratio; 8.50 [95% confidence interval: 1.61- 44.88])。更に、追跡のMRIを受けられた669名を調べたところ、4名において新たにDESHが認められたがEI>0.3であったかどうかとDESHの出現の関係は認めなかった。また、既存のDESHが認められた方9名の内2名の追跡が出来たがMMSEやEIの悪化は認められなかった。

【結論】
本研究では、DESHの存在と認知機能低下に正の関連が認められた。DESHはEI>0.3とは独立して出現しており、脳室拡大とDESHの組み合わさった伸展が認知機能低下に影響すると推測された。