一般住民における残存歯数と認知機能低下との関連

Association between tooth loss and cognitive impairment in community-dwelling older Japanese adults: a 4-year prospective cohort study from the Ohasama study

BMC Oral Health. 2018;18:142 >>PubMed


【目的】
残存歯数と認知症や認知機能低下の関連に関する報告は散見されるが、その結果は一貫していない。これには、対象者や方法の相違が影響していると考えられる。本研究では、歯科検査により正確に評価された残存歯数と将来の認知機能低下との関連を、一般住民を対象に検討した。

【方法】
ベースラインならびに4年後の調査に参加し、ベースライン時に認知機能障害のない65歳以上の岩手県花巻市大迫町住民140名を対象者とした。認知機能をミニメンタル検査(MMSE: Mini-Mental State Examination)によって評価し、認知機能低下をMMSEスコア24点未満と定義した。歯科検査の評価に基づき、残存歯数0–9本と10本以上の2群に分類した。残存歯数と追跡後の認知機能低下との関連を、性別、年齢、高血圧、糖尿病、脳心血管疾患既往、高脂血症、鬱傾向、body mass index、喫煙、飲酒、教育歴、およびベースラインMMSEスコアで調整後の多重ロジスティック回帰分析で検討した。

【結果】
女性の割合が69.3%、平均年齢が70.9歳であった。追跡4年間のうち、認知機能低下が27名(19.3%)に認められた。多変量解析の結果、残存歯数10本以上の群を基準とした、残存歯数0–9本の群の認知機能低下オッズ比は3.31(95%信頼区間: 1.07–10.2)と有意であった。調整項目のうち、年齢、男性、ベースラインMMSEが、残存歯数と共に有意に認知機能低下と関連していた。年齢と残存歯数の認知機能低下に対する交互作用は認められなかった(P=0.9)。

【結論】
本研究の結果、高齢者において、歯の喪失が将来の認知機能低下と関連することが示唆された。