仮面高血圧とウエスト周囲径との関連性

The association of masked hypertension and waist circumference as an obesity-related anthropometric index for metabolic syndrome: the Ohasama study.

Hypertension Research 2009; 32:438-43.  >>PubMed


【目的】
家庭血圧は、仮面高血圧 (MHT:随時血圧正常、家庭血圧高値)や白衣高血圧 (WCHT:随時血圧高値、家庭血圧正常)の同定に有用な優れた測定方法である。一方、メタボリックシンドロームの診断基準に用いられているウエスト周囲径は、BMIとともに脳心血管疾患との関連が注目されている。そこで本研究では、これらの肥満指標とMHTとの関連について検討した。

【方法】
対象は岩手県花巻市大迫町の一般地域住民で,2000年から2006年の間に家庭血圧を測定し、住民検診時に身体測定・空腹時生化学検査を実施した395名 (男性118名、女性277名)である。随時血圧値と家庭血圧値に基づいて、対象を正常血圧 (SNBP) 群、WCHT群、MHT群、持続性高血圧 (SHT) 群の4群に分類し、肥満指標との関連について分析した。

【結果】
MHT群のウエスト周囲径はSNBP群、WCHT群より有意に高値であった (SNBP群 76.3 cm、WCHT群 78.0 cm、MHT群 82.7 cm、SHT群 81.7 cm)。男女で層別解析を実施したところ、男性では、MHT群でウエスト周囲径 (MHT群 87.3 cm) ならびにBMI (MHT群 25.5 kg/m2) が有意にSNBP群、WCHT群より高値であった。女性では、WCHT群ならびにSHT群でBMIが有意にSNBP群より高値であった。

【結論】
本研究より、特に男性において、随時血圧が正常であってもウエスト周囲径やBMIが高値の場合はMHTの可能性が考えられた。ウエスト周囲径に加えて脂質または血糖値の一方のみがメタボリックシンドローム診断基準を満たす男性 (随時血圧正常) は、どれほど家庭血圧が高値でもメタボリックシンドロームと診断されない (隠れメタボリックシンドローム)。家庭血圧をメタボリックシンドローム診断基準へ導入する必要性が示唆された。