アドレノメデュリン2/インターメディン遺伝子多型と日本人の血圧、腎機能、無症候性脳血管病変との関連

Influence of adrenomedullin 2/intermedin gene polymorphism on blood pressure, renal function and silent cerebrovascular lesions in Japanese: the Ohasama study.

Hypertension Research. 34,1327-1332,2011. >>PubMed


【目的】
アドレノメデュリン2/インターメジン(AM2/IMD)は新規ペプチドホルモンであり、血管拡張作用及びNa利尿作用を有し、加えて臓器保護作用を有することが報告されている。また、AM2/IMD遺伝子翻訳領域には挿入(I)・欠失(D)多型(rs3840963)が存在し、D型では成熟ペプチドの一つであるAM2/IMD-53が欠失し、AM2/IMDを介した臓器保護作用に影響を及ぼすことが予測される。そこで、AM2/IMD遺伝子多型と血圧、腎機能、無症候性脳血管障害との関連を検討した。

【方法】
岩手県花巻市大迫町の一般住民のうち、血圧測定及び遺伝子解析に対し同意が得られた者を対象とした。血圧及び腎機能は必須項目に欠損のない40歳以上の1073名を解析対象とした。無症候性脳血管障害は脳卒中既往のない55歳以上の794名を対象とし、頭部MRIからラクナ梗塞及び脳白質病変を判定し、その有無により2群に分け関連を検討した。AM2/IMD遺伝子多型は、AM2/IMD翻訳領域に位置するI/D多型(rs3840963)を解析した。

【結果】
24時間自由行動下血圧がDD群で有意に高値を示し(収縮期血圧 P=0.009、拡張期血圧 P=0.002)、この関連は各種因子で補正後も有意であった。腎機能はDD群で血清クレアチニン値が有意に高値を示し、GFR推定値も低値を示した(各種因子で補正後各々、P=0.0001、P=0.04)。多重ロジスティック回帰分析において慢性腎臓病(CKD)を有するオッズ比は、II群と比較して、ID群で1.1(95%CI:0.7-1.7、P=0.6)、DD群で2.7(95%CI:1.4-5.2、P=0.003)であった。また、無症候性脳血管障害を有する割合もDD群で有意に高くなっていた(ラクナ梗塞 P=0.003、脳白質病変 P=0.001)。多重ロジスティック回帰分析において、II群と比較して、ID群でラクナ梗塞を有するオッズ比が1.0(95%CI:0.7-1.5、P=0.9)、脳白質病変を有するオッズ比が1.0(95%CI:0.7-1.4、P=0.9)であり、DD群でラクナ梗塞を有するオッズ比が2.4(95%CI:1.2-4.7、P=0.01)、脳白質病変を有するオッズ比が2.7(95%CI:1.4-5.4、P=0.003)であった。

【結論】
日本人において、AM2/IMD遺伝子I/D多型のDD型は、血圧高値、腎機能低下、無症候性脳血管障害のリスクと有意に関連していた。AM2/IMD-53の欠失は、AM2/IMDを介した臓器保護作用に影響を及ぼす可能性が示唆された。